ずんべろ
かぶっ。
べろーん。
飯食ったあとにテレビを見ていたらサスケが寄ってきて、カメラを向けたら指を舐めてきた。
うまいか、そうかそうか。
今日は休み。幸せな気分で朝まどろんでいると、母が部屋にやってきた。
『あんた!ちょっと読み聞かせ行ってきて!すっかり忘れとった!』布団越しで顔に押し付けられる絵本。
うちの母は、絵本の読み聞かせボランティアに入っていて、二ヶ月に一度の頻度で私の母校に絵本を読みに行く。
のだが最近は、基本的に水曜日が休みで、例え仕事があっても朝はゆったりな私が、代理で読み聞かせに行っている。
20分ほどで終わるし、嫌いではないので、言われるがまま。気付けばこの一年ほど、ずっと私が読み聞かせに行っている。
今回は久しぶりにお母さんが行くよ!と言うので、すっかり忘れていた。母も、忘れていた。
当日の朝、読み聞かせの時間30分前にドタバタ。思い出してくれてよかったよ。
小学校(自宅の目の前、歩いて30秒)へ行き、下駄箱で担当の人に何年何組行ってくださいと指示を受け、絵本を持って教室前の廊下にて子供達が集まるのを見守る。
元気やなぁ。子供たちから溢れるパワーに若干押される。
子供たちが教室に集まり、先生が『じゃあ…』と招きいれてくれるのを待つのだが、今日の先生は私に名前を聞いてきた。
先生に名前を聞かれたのは初めてで戸惑った。先生によって、招きいれてくれるタイミングの違いはあったものの、話しかけられることはほぼなかったので。
名前を言うと先生はにっこり笑って『何年生のお子さんがいらっしゃるんですか?』
あっ…。
読み聞かせボランティアはほぼお母さんたちがやっている。そうかそう見られて仕方ない。
言葉に詰まりつつ、母の代理で~と言うと、あっ(察し)みたいな顔された。まぁ、どうかしたら小学生の子供がいてもおかしくない年齢ではあるよ。
時間がなく一度通して読んだだけの絵本を子供達に向かって広げると、平仮名まみれも相まってまぁ読みづらい。
実際に口に出すと、リズムというか音がおかしくなる文章も割とある。近くで見ている子供は気付くだろうなと思いつつ、アドリブセリフのオンパレード。
読み終わり、子供達から可愛らしいお礼の言葉をもらって、図書室へ。
母校の図書室の司書さんは、私の一つ下の後輩ちゃんである。それこそ同じ小中で、小さい頃はよく一緒に遊んだ仲。
中学校に入って、いの一番で敬語を使い出して先輩と呼び始めたのも彼女である。
たまたま私が早く終わって、図書室にはふたり。昔の調子で話しかけたが、彼女の対応は他のお母さん方に接するものと同じであった。まぁ彼女は仕事中だったし仕方ないんだが、ちょっぴり寂しかった。
お疲れ様のお茶とお菓子をもらって帰宅。
さて。
たらたらテレビ見て、昼から部屋片付けよう。