イブ
クリスマスイブである。父が買ってきたケーキを食いながらゴチ見てた。
ニュースや報道系の番組にかえないようにしていたのに。父が、スポーツどうなったかとか言ってかえた。
うっかり、カップルのインタビューを見てしまう。幸せそうであった。リポーターの目が笑ってない気がしたのは私だけだろうか。
昨夜はアナゴくん宅で前倒しクリスマス、そして今夜は家族とクリスマス、どちらも共にケーキを食っただけである。
もう大人になると、ケーキに特別感が沸かないのが少し切ない。昔はあんなに、ケーキー!!!と喜んだものなのに。
父が買ってきたケーキを見て、わぁー!ケーキだ!と嬉しそうにはしゃぐ妹が何だか可愛く思えた。
色んなものへの特別感が薄らいでいるなぁ、と思いつつ、使いどころのないオモチャやライダーのお面を貰うとめちゃくちゃ嬉しい私は、嗜好が子供だなぁとも思う。
そういえば、うちの父母の結婚記念日はクリスマス当日なのだそうで。
産まれて26年、今日この日まで、そのことを知らなかった。
母が、記念日祝うとか嫌だったそうで。昔はお父さんのこと嫌いやったけんね…と小さく自分で地雷を踏んだ母に、苦笑しか返せなかった。
この数年でやたら仲良しになった両親。私や妹がいる前で、ちょっかい出し合ってじゃれつくふたりを、何とも言えない気分で見守っている。ぶっちゃけ気まずい。
今夜も、母が風呂に入っているところに父が乗り込んでいった。ふたり仲良く(?)入浴中のようである。トイレに行きたいが、鉢合わせたくない一心で我慢なう。
妹は、両親が最強に仲が悪いときを知らないからなのか、まるで気にもとめてないようで。私はある種の居心地の悪さを感じているのに。
まぁ、仲が良いに越したことはないのだが。
ケーキ、ケーキ。
そういや一昨日もケーキ食っとるやん、と今更びびる。
明日は明日で、ひょっとしたら母がケーキをもらってくるかもしれない。
体重計にしばらく乗らないことを心に誓った。