職場の自販機で買うコーヒーが開けると必ず吹きこぼれる

赤い自販機と青い自販機がある。青い自販機では吹きこぼれないのだが、赤い自販機で買うやつは必ず、必ず吹きこぼれる。

ぶしゅっとちょっと溢れるくらいならまだしも、炭酸かという程溢れ出す。うっかり普通に開けると手がコーヒーまみれになってしまう。

コーヒーでこれなら炭酸はもっとやばいはず。うん。やばかった。

ゆっくり開けたとしても溢れ出すから、ゆっくり開けながら啜らなければならない。

蓋付きのやつならそうでもないけどな。ペットボトルの炭酸は面白いくらいに出るけど。

こだわりがないなら溢れない青い自販機のを買えば、と思うが何せ赤い自販機の方が安い。

コンビニで買うよりも安い値段で売ってるものだから、ついそちらに向いてしまう。青い自販機も、他の場所で見るのよりは安いけどな。

いつも職場の赤い自販機を利用する者なら、溢れるのを知ってるから慎重にやるのだが、普段利用しない人や新人さんがその洗礼を浴びる。

喫煙所内に設置されているので、たまにタバコを吸ってると『(ブシュアッ)うおおお?!』という声が聞こえてくる。

しかしそれも悪いことばかりではない。

寒々しい空の下、誰もが凍えながらタバコを吸っているため(喫煙所は外)みな口数が少ない。そんな中、コーヒーを溢れさせた人がいると、和む。

ははは、そこ絶対溢れるんですよ〜と誰かが声をかける。不意に笑いが起こって、その場の空気が緩んでいく。

笑いを共有したことで、会話がハードルが低く滑り出すようになる。コーヒー零してくれてありがとう、と。


まぁソロでやっちゃったときは、くそが!ってなるだけだが。